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2011年05月11日

東都と北都の並木

久那志利恵土呂府二島紀行
 補追、野付のお話し


 これは農学者で開拓使の嘱託でもあった津田仙が、辞職後に発刊した開拓使に関わる「北海道開拓雑誌」に掲載されたもので、
 箱館奉行の組頭(のち外国奉行)であった栗本鋤雲(匏菴)が文久3年4月に標津を出立し、当時、通行屋があって渡島の中継地であった野付を経て、クナシリ、エトロフを巡視した貴重な記録。
 医師でもあった栗本は、箱館近郊の七重に薬草園を開き、また、松や杉の苗を植栽して五稜郭や湯の川、七重の街道に移植した。折しも、ウィーン万博に参加した津田も、この時にニセアカシアの種を持ち帰り、これは後の明治8年に大手町に植えられて、東京初の街路樹となった。



第244回 並木のお話し    北海道の歴史,北海道の文化,北海道文化財保護協会,http://turiyamafumi.kitaguni.tv/
  

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2009年09月08日

古書のネット通販

古本ぐるいの戯言2


 新刊が売れない、文芸がうけない、街角から書店が一つふたつと消えて行き、本屋に並んでいるのは雑誌ばかりという現状も、その雑誌にすら休刊、廃刊が相次いでいる。一説に『古本屋が増えている』、『古本屋は不況に強い』などとも云われるけれど、はてさて、古書店業界の現況はどうなのか?

 それは、ここ数年間で「ブックオフ」のような大型リサイクル店が、あちらこちらに開店したからで、『古本屋が増えたナ』と感じている方も多いようだが、この「ブックオフ」は今年の3月末時点で全国に917店、関連128店を合わせると1,045店舗にも上るとか。以前の古書店のイメージは、『日がなジッと座っている暇そうな店主』の『気軽な商売かも』であった。

 バブル景気の頃には、ある道内の有名店が、いわゆる三ちゃん経営でありながら年商が数億はあったとも噂されたが、しかし、バブル崩壊に続いた、その後の金融不安以降の長引く景気停滞と、そして小泉改革による政府の緊縮財政は、お得意先の教育関係をも直撃して、古書店のスタミナを的確なジャブのように奪って行った。

 好景気の時には投機の的にもなった美術関係やレア本・稀本などはともかく、比較的に堅調に取引されて来た大学は、補助金がカットされて独法化ともなり、そもそも学生が少ないうえに読書離れが深行してしまった。そして最も安定的な供給先とされた公立図書館も、深刻な財政難から図書費を圧縮され、そして学校図書の整備もいっこうに進まない。

 そこで新たな流通の手段として、すでに定着しつつあるのが『日本の古本屋』を代表とするネット販売で、近年はそれを利用した無店舗販売も増えて、以前は地元を中心とした固定客が主な顧客であったものが、今では全国から注文が得られるようになった。

 これは購入者からも全国の古書店を覗けるという利点があり、斯く言う私もその愛好者で、めったにお目にかかれない稀少本など、より入手し易くなったが、後々、貴重な資料となる目録の送付が減ってしまい、ちょっぴり残念である。

 近時の景況はと云うと、私が足しげく通い、北日本随一と云われた旭川の「古書店(リサイクル店では無く)」が、かっての5店舗からとうとう1店舗ダケとなり、帯広の老舗が無店舗販売に転じたと聞くと非常にさびしく、それらは購買源となった子どもや若いヒトが減り、さらなる急激な景気の後退から団塊世代の購入意欲が減退して、一番の収入源であったマンガ本、特に絶版となったシリーズものや懐かしものが売れなくなったことが大きい。

 こうなると、なおのことネットによる通販が頼みとなるが、今年になって『日本の古本屋』が、な・な・ナント、同一図書の一覧掲示へと表示法を変えたことには驚いた!!

 これではどこの書店が一番安いかが一目瞭然となり、「ほんとに良いの?」と疑問に思ってしまう。安く買えるのに越したことなないが、過当競争からますます、これ以上に店舗が減っては、こよなく『古本のにおい』を愛する私とすればどうしたら良いものか。手にとって読む、目で触れるが基本であり、お勉強となるのだから。

 さて、そうとは言いながららも、私が儲かっちゃった、逆説的には、如何に専門店が、それ以外のお店に苦悩しているかが、お分かりになる具体例を紹介する。



例1
・旭川第七師団全図 
本図は当然、図面であるため、その保存状態に大きく価額が左右されて、良並で2万~3万円前後が相場と考えるが、九州の某古書店では6千円位であった。


例2
・土人の風俗絵はがき(敷香土人事務所)
私が入手したものは袋付5枚揃いで、樺太の先住民資料としては極めて入手が困難である。良並で1万円前後から2万円と考えるが、東京の古書店で3千円しなかった。


例3
・北海道凶荒災害誌
 評価に幅がある図書であるが、2万円前後が適正と考える。これも東京ではタッタの6千円位だった。



 はてさて、皆さんのご意見はいかが!?


第144回 日本中の古本屋     北海道の歴史,北海道の文化,北海道文化財保護協会,http://turiyamafumi.kitaguni.tv/
  

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2009年01月11日

ロフト古書の街

年末にロフトに行って来ました
 サッポロロフト古書の街・オープン
 ガンバレ古本屋のオヤジ



アイヌ古画がお出迎え

 昨年の11月1日に紀伊国屋・札幌ロフト店内に道内各地のユニークな古書店8店とボランティア団体による『古書の街』がオープンした。イベントとしての古書店の共同出店や新刊書と新古書の共販はあっても、道内での常設の古書店街はたぶん初めてであろうし、ましてや新刊書店と古書店が同じ屋根の下など全国でも稀である。また、不要として提供された図書を児童会館や子育て支援センターなどへ無償で配本している団体の資金作りともなっている。

サッポロ堂書店(北方資料)、薫風書林(人文書)、角口書店(美術書)、リブロ平岸(映画)、じやんくまうす(絶版まんが)、ブックスボックス田原書店(美術・音楽)、帯広春陽堂書店(歴史全般)、根室道草書房(推理小説)、北海道ブックシェアリング(ボランティア団体)



なつかしい映画ポスター

 この古書店街の代表は、この道三十数年のサッポロ堂書店の石原誠さんで、私とは店主と客の垣根を超えた友人であり、彼自身も北方民族・文化の研究者だ。
 思うに今までの古書店のイメージは薄暗く、ほこりっぽい山のように積まれた古本の谷間に鎮座する、少々取っ付きずらいオヤジの店だ。一見さんや素人さんにはなかなか敷居が高く、ずいぶんあちこちの古書店に通っている私も、若い女性や家族連れにはお目にかかったことはない。
 石原さんも「古書店と云えば暗いイメージで、若い、特に女性は来ない。ここではあちら側の新刊売場から若いヒトが少しづつ、こちら側の古書コーナーに侵入、新たな顧客をキャッチしつつある」と手ごたえを感じている。
 古書店は今、苦難の時代である。バブルの頃は道内のある古書店で年商が数億あったとも噂されていたが、現在は「もの」の動きがない上に、学生の減少と不勉強さが影響し、また、大学の独法化と公立図書館の軒並みの予算減に、もともとの活字離れも重なって、深刻な経営難である。
 これは新刊書店にも云えることで、この新刊書店と古書店のコラボもロフトさんからの働きかけによるものらしい。
 かってパチンコ業界が同じようなイメージチェンジに成功したように、「本の虫・古書キチ」の私は期待している。この「ふる本文化」の灯を絶やさないために。
 古書店とは第二の図書館であり、文学館であり、博物館・美術館でもあるのだから。


伊達開拓団の風景ほか、貴重な資料のやま


第103回 本好き集まれ  北海道の歴史,北海道の文化,北海道文化財保護協会,http://turiyamafumi.kitaguni.tv/  

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2008年12月07日

オタスの杜の貴重な資料

~オタス資料を入手
 ありそうでなさそうの貴重な民俗資料、
 長年、求めていた「敷香土人事務所」、「半澤写真館」の資料を入手した、やったネ!
  それも以下の2点で税、手数料を除き6,500円と非常に安価で、某古書店さん、ありがとう。ヘッヘッヘ!!!

  

『土人のしらべ』昭和十四年五月十三日發行 編輯兼發行人 土人事務所
 序に「本書は敷香教育所教員川村秀弥君をして調査記述せしめた」とある。これは『オロツコ土人調査其他/樺太庁敷香支庁』、『オロツコ其他土人の研究/敷香土人事務所』と改題を経たのち、さらに改訂されて半澤中商店(半澤写真館)から発行された。
 「オタスの杜」と「敷香教育所(土人教育所)」ほかの貴重な写真が掲載されている。








『土人の風俗繪はがき』敷香土人事務所
 『土人の生活』、『オロッコの母子』、『フレップの中に遊ぶ土人の子供』、『土人の娘』、『馴鹿で物資の運搬』の5枚組の写真ハガキ。「土人のしらべ」広告中に敷香支庁御認可(御用立)とあるように、前述の半澤写真館が撮影したものらしい。らしいと云うのは、5枚の内の一部しか半澤写真と確認できないためで・・・誰かご教示願いたい。


第98回 敷香土人事務所資料 北海道の歴史,北海道の文化,北海道文化財保護協会,http://turiyamafumi.kitaguni.tv/
  

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2008年06月21日

オホーツク郷土文献目録

 ~オホーツク網走管内の町村史を除いた明治・大正の代表的な郷土文献の目録(改訂版)

①主要文献目録
発行または著作年等   書        名     著   者    備   考
 1  明治 2年   JAPANN IN YEZO.     T.W.ブラキストン 蝦夷地の中の日本   
 2      4年  北見州経験誌          松本 十郎   新しい道史
 3     12年  北地履行記            酒井 忠郁    
 4     16年  北海道紀行            吉田 健作   新しい道史
 5     19年  旧事録
 6     20年  藤野家履歴                     根室市史
 7     24年  北海道殖民地選定報文完             復刻本有り
 8     26年  開拓指鍼北海道通覧      久松 義典 
 9     27年  北海道實業人名録       松井 十郎
 10    29年  北見事情             神田芳太郎
 11    31年  北海道殖民状況報文北見国  河野 常吉   復刻本有り
 12    32年  網走港※1            貴田 国平   復刻本有り 
 13    43年  北海之新天地          吉田 民鉄 
 14    45年  北見之富源            貴田 国平 
 15 大正 1年  北見繁栄要覧          菊池鈍二郎   復刻本有り
 16     2年  北見発達史           大場篤三郎
 17     3年  網走築港調査書※2      東条  貞    復刻本有り
 18          北見と人物            都香 北州    復刻本有り
 19     5年  北見要覧             安藤  誠
 20          北見之林業           東条  貞 
 21          網走支庁拓殖概要~7年   網走支庁     他年有り
 22     6年  網走外三郡物産共進会報告 残務取扱事務所 写真帖ほか
 23    10年  湧別兵村誌           新野尾國之
             注)復刻本は網走港修築意見書・網走港湾調査報文並びに※1と※2の3巻
②文献の概要
 1.政府の依頼で調査のために宗谷へ赴いたときの浜中からオホーツク沿岸の記録。
 2.松本判官が根室在勤中に斜里郡から宗谷郡まで視察したときの日記。
 3.開拓使官吏の酒井が札幌より日高、十勝、根室、北見、天塩を巡回視察した報告書。
 4.内務官僚時代の吉田が道内を視察したときの記録。吉田は北海道製麻の創設者。
 5.藤野家の網走支店が開拓使網走郡出張所に提出した報告書。
 6.天明元年から明治20年までの藤野家の活動の編年記録。
 7.北見調査は明治22年。地理、土性、用水、運輸などの基本情報を掲載。同30年第三報文まで有り。
 8.久松は北海道毎日新聞の記者。特に漁業に詳しく実業家や村総代などの人名録が有用。
 9.どちらかいうと宗谷に比重を置いたもの。漁家・商家、旅館などの人名録が有用。
 10.網走地方は明治26年12月末現在のもの。当時の実業名士録。
 11.明治29年に地理、気象、産業など村落ごとに実地調査した詳細な記録。
 12.網走港修築請願のために編纂された要覧。
 13.筆者も閲覧したことがない、極めて稀少な一品。
 14.網走線開通を記念する北見東部四郡の概覧。有力者の経歴などに詳しい。
 15.網走~池田の開通を記念した要覧。写真と広告が多い。
 16.北見之富源・北見繁栄要覧とで3部作と云える。産業について詳しい。
 17.網走港修築を祈念したもの。港湾調査書のほか貴重な資料が多い。
 18.北見東部四郡の名士録。写真と広告が多い。
 19.網走外三郡物産共進会での北見東部四郡の拓殖概覧。広告が多い。
 20.北見木材大会の記録。活況を呈した北見林業界を知るに有用。
 21.この外、いくつかの同種文献があるが本書にはかなわない。
 22.共進会受賞者ほか、当時の有力農業者の氏名が一覧できる。
 23.湧別屯田だけではなく、遠紋地方の初期開拓の状況を解説。


第60回網走管内郷土誌の目録
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2008年03月10日

地券は語る

歴史力を磨け!、うんちく王
 
 ここに一枚の「開拓使地券」がある。ここから参考となる、いろいろなものが読み取れる。
 まずは、この「地券」とは内地では1872年(明治5年)に始まって、道内は遅れて1877年(明治10年)に「北海道地券発行条例」が交付された。「地券」とは明治時代の登記簿謄本と評価額証明書のようなもので、土地の所有権を表わし、ここにもあるように地目、地積、地価を表記して地租の算定の基礎とした。この年の干支が壬申(みずのえさる)であったことから、別名「壬申地券」とも云われる(同年の壬申戸籍は有名)。
 さて、それでは地価・地租についてであるが、ここに地価6円50銭2厘に対して100分の1金6銭5厘地租とあるとおり、この時の税率は1%であった。基準の取り方にもよるが、この頃の米価は約9.3石/円であるから地価は60.5石となり、時代の違いもあり安易な比較ではあるが町奉行所同心30俵2人扶持の約4人分になる。
 続いて所在地の『渡島國津輕郡』について、この郡名は明治2年8月15日に松浦武四郎の提案によって蝦夷地を「北海道十一国八十六郡」とした際に、福山地方(旧城下と知内)が「続日本紀」の『渡島津軽津』に当たるとしたもので、廃藩置県後の一時期には青森県へ統合された経緯もある。1881年(明治14年)には福島郡と合併して松前郡となり、このとき釧路国の網尻郡も北見国網走郡に編入された。ちなみに、この8月15日が「北海道開基の日」とされている(終戦記念日と同じ)。
 最後に持主とされる『金子元十郎』であるが、幕末には道内に数カ統の漁場を有し、福山において大商人として活躍していた「金子元右衛門」を継いだもので、後に初代小樽区長で衆議院議員となり、1891年(明治24年)には中江兆民をして「北門新報」を発刊して「北海道の元老」と称された「金子元三郎」の本家筋で、時代が下って「北海道開発功労賞」、そして書家として初の「文化勲章」を受章した同じく松前出身の『金子鷗亭』も同族である。
 私は松前在住の小学生のときに書道教室に通い、同級生には金子さんと云うかわいい女子がいて、この地券の次の所有者と同じ小松君という元気な男子がいた。
  第32回うんちく王

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2008年03月06日

古書ファンへ自慢の第一版

~めずらしい開拓資料

◆北海道移住手引草/明治33年
 移住者のために「北海道移住案内」に引き続いて明治33年から大正12年まで発行されたリーフレット。北海道の概況、渡航の案内、殖民地と未開地処分、移住の心得、開墾・耕種などが紹介されている。
 大正13年には再び「北海道移住案内」と改題されて昭和11年まで続いたが、この第一版は現存が少なく、これだけ保存状態の良いものは極めてまれな一品。

◆第一北海道土地処分案内/明治28年
 明治19年制定の「北海道土地払下規則」を基本に当時の土地の取り扱い、貸下げ手続きの方法と主に道央の殖民地を詳しく解説している。
 注目すべきは干場のための海浜地の貸下げの項に『鰊建網(行成網及び角網)』とあり、鰊角網がこのころすでに道内へ広まっていたことを示している。めずらしい第一版だが惜しくも同年の再販本、しかし納豆博士の半澤洵旧蔵と云うプレミア付き。

◆北海道殖民図解/明治28年
 第二版が明治36年、第三版が同39年発行のいずれも多数の写真入りの分かりやすい冊子式のガイドブックで、市街や開拓地の様子を伝えていて、この第一版のみは銅板刷りの一枚もの、図版はすべて絵であるが、たいへんめずらしいため余り知られていない。
 所蔵のものは残念ながら痛みがはげしく、余白に『明治廿八年七月京都第四回内国勧業博覧会場・・・受領ス』とある。


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祝!ようやく目標の第30回となりました。
  

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2008年02月16日

古書店、司書必見!

 最奥地であった道東北は開拓が遅れ、北見東部四郡の殖民事業が本格的に始動したのは明治20年代後半からであって、江戸末期から維新後の近代黎明期までのほとんどは藤野漁場の手によるものだった。ここでは町村史を除いた明治・大正の代表的な郷土文献を挙げる。

①網走管内殖民期の主要文献ベスト20点+1

    発  行  年    書        名           著   者    備  考
1   (明治4年)    北見州経験誌            松本 十郎   新しい道史
2   (明治12年)   北地履行記              酒井 忠郁    
3    明治16年   北海道紀行              吉田 健作   新しい道史 
4    明治19年   旧事録
5       20年   藤野家履歴                       根室市史
6       29年   北見事情               神田芳太郎
7       24年   北海道殖民地選定報文完              復刻本有り
8       26年   開拓指鍼北海道通覧        久松 義典 
9       27年   北海道實業人名録          松井 十郎   
10      31年   北海道殖民状況報文北見国    河野 常吉    復刻本有り
11      32年   網走港※1              貴田 国平    復刻本有り 
12      43年   北海之新天地            吉田 民鉄 
13      45年   北見之富源             貴田 国平 
14   大正 1年   北見繁栄要覧            菊池鈍二郎    復刻本有り
15       2年   北見発達史              大場篤三郎
16       3年   網走築港調査書※2        東条  貞     復刻本有り
17            北見と人物              都香 北州    復刻本有り
18       5年   北見要覧               安藤  誠
19            北見之林業             東条  貞 
20            網走支庁拓殖概要(~7年)   網走支庁      他年有り
21      6年   網走外三郡物産共進会報告   残務取扱事務所 写真帖ほか
             注)復刻本は網走港修築意見書・網走港湾調査報文並びに※1と※2の3巻
②文献の概要
1.松本判官が根室在勤中に斜里郡から宗谷郡まで視察したときの日記。
2.開拓使官吏の酒井が札幌より日高、十勝、根室、北見、天塩を巡回視察した報告書。
3.内務官僚時代の吉田が道内を視察したときの記録。吉田は北海道製麻の創設者。
4.藤野家の網走支店が開拓使網走郡出張所に提出した報告書。
5.天明元年から明治20年までの藤野家の活動の編年記録。
6.どちらかいうと宗谷に比重を置いたもの。漁家・商家、旅館などの人名録が有用。
7.北見調査は明治22年。地理、土性、用水、運輸などの基本情報を掲載。同30年第三報文まで有り。
8.久松は北海道毎日新聞の記者。特に漁業に詳しく実業家や村総代などの人名録が有用。
9.網走地方は明治26年12月末現在のもの。当時の実業名士録。
10.明治29年に地理、気象、産業など村落ごとに実地調査した詳細な記録。
11.網走港修築請願のために編纂された要覧。
12. 筆者も閲覧したことがない、極めて稀少な一品。
13.網走線開通を記念する北見東部四郡の概覧。有力者の経歴などに詳しい。
14.網走~池田の開通を記念した要覧。写真と広告が多い。
15.北見之富源・北見繁栄要覧とで3部作と云える。産業について詳しい。
16.網走港修築を祈念したもの。港湾調査書のほか貴重な資料が多い。
17.北見東部四郡の名士録。写真と広告が多い。
18.網走外三郡物産共進会での北見東部四郡の拓殖概覧。広告が多い。
19.北見木材大会の記録。活況を呈した北見林業界を知るに有用。
20.この外、いくつかの同種文献があるが本書にはかなわない。
21.共進会受賞者ほか、当時の有力農業者の氏名が一覧できる。      第15回オホーツク郷土文献目録(改訂第60回)

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2008年02月14日

奇才、ブラキストンの船

~明治初年にブラキストンが考案した新型漁船の図

 
 英国人で元軍人のブラキストンは多才な人物である。1861年には揚子江を探検して、その記録はロイヤルメダルを受賞した。同年に商社員として来箱すると、翌年には日本最初の蒸気機関製材所を建設し、そして内地と蝦夷地、蝦夷地の沿岸での船舶輸送を開始した。
 また、幕末からあった気象観測所を引き継いで近代化させ、箱館の水道や築港の設計なども行い、五稜郭での中川嘉兵衛の採氷も彼が端緒となった。後年、彼の名を一躍、世界に知らしめたのは野鳥の研究で、これがブラキストン・ラインの発見であった。
 面白いところでは、‘80年にはスポンサーとなり帆船競争を行ったと云い、これは船の改良を奨励するものだったが、明治24年の「北水協会報告第六十七号」に『英人ブラキストン氏考案漁船ノ図』なるものがある。
 2番目の婦人は北海道畜産の父と云われるエドウイン・ダンの姉。

 

 ⑫~⑭は古本ぐるいの戯言「北水協会報告」編です。
                                                                ⑭北水協会

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2008年02月14日

捕鯨銃

~郡司大尉の捕鯨銃

 郡司成忠は海軍大尉であったが、明治26年に軍を辞して「報效義会」を結成、千島開発に没頭・傾注し、後の北洋漁業の基礎を作った。幸田露伴の実兄であり、また、このとき後年に南極探検を行った白瀬中尉と行動を伴に占守島で越冬した。
 ここの「明治25年北水協会報告第七拾五号」では、郡司が現役時代から着々と北方開発の準備を整えていた一端をうかがい知れる。

                                                           第13回北水協会

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2008年02月13日

人魚を捕えて食らう

~明治の文献に見る人魚のお話し


 明治24年の北水協会報告第六拾六號に「人魚を捕る」という興味深い漁業時事が掲載されている。「北水協会」とは札幌農学校第一期卒の伊藤一隆が道庁の初代水産課長として発足させた水産団体で、会長に伊藤が事務局には同じく官吏の村尾元長がいた。とても面白い記事なのでここに挙げる。
                                         
                                                               第12回北水協会

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2008年02月06日

古本ぐるいの戯言

~古本のにおい
 現在、北海道の地方での明治・大正期に詳しい研究者は少なく、よって歴史の探求も次第に殖民時代が中心になると、図書館巡りや古本探しがひとつの趣味となった。
 もともと函館と松前に育ったこの私、小さい頃から古いものが身近にあり、通学した小学校が重要文化財だったくらいで、「古いもの」への思いが自然と身に付いたのか、古建築や古物に興味を引かれ、特に古本には執着にも似たものがあって、周りからは「オタク」とか云われているが、入手するものは後の研究となるものばかりで、余り触れられないまま古本屋や資料室の棚隅にあるよりは、ひとつの文化財として「利用し活用する者が所有すべし」が持論である。
 しかし、思わずニヤリとする古本との出会いもあり、悦びを感じることも多く、ちょっと危ういところもあって、何気に購入した古本が著名人の旧蔵であったり、サイン本や稀覯本にレア本など、しかし、一番の楽しさは思わぬところから長年の疑問が判明したときで、思わずヤッタネであって、資料の一つひとつの点と点、線と線とを結んで行く作業はことのほか楽しい。
 近頃では研究に要する文献資料も借受が難しくなり、地方というハンディもあって、購入する古本の下敷きとなりそうで、所蔵する文献も古本屋ですらめったにお目にかかれないものも多いことから、今では稀に「売って下さい」との問い合わせもあり、「見つけたら知らせてネ」など、業界では結構知られているらしい。
 さて、これら所蔵の中には明治中期の農業雑誌「北海之殖産」があり、全巻揃いは極めて稀な自慢の一品で、その旧蔵は札幌農学校第二期卒の「宮部金吾」博士で、同期には内村鑑三や新戸部稲造らがいて、また、松浦武四郎とも親交があったという。
 後に、この「北海之殖産」の続刊「北海道農会報」を入手したところ、それには「Hanzawa」のサインがあって、これは現在の納豆製造の基礎を確立した「半澤洵」博士であるが、今の「文化納豆」とはそのことであり、何よりも宮部博士の愛弟子であった。
 そしてこれらは遇々にも、以前の睦ましい師弟のように、今は私の書架に並んでいる。


宮部蔵書印の「北海之殖産」と半沢サインがある「北海道農会報」
  

第4回古本との出会い

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