2017年05月10日
網走の捕鯨船

この5/1~5/8に紋別港に寄港した小型のキャッチャーボート 日本の小型捕鯨船の許可船は9隻があり、実際の稼動はうち5隻で、網走海域の業者(水揚げは網走市のみ) は、下道水産(正和丸15.2㌧)、三好捕鯨(第七勝丸32㌧)が、国際捕鯨委員会(IWC)の対象外となっている歯クジラ類のツチクジラを年に各船2頭づつ捕獲してきた。
水産庁は、「新北西太平洋鯨類科学調査計画案」において、2017年度~2028年度の網走沿岸域でのミンククジラの捕獲調査による目標捕獲頭数を年47頭(調査開始から6年後に中間評価を実施)とした。1986年にIWCによって商業捕鯨が禁止された髭クジラ類のミンククジラ、網走市での捕鯨は、1987年が最後だった。さて、ツチクジラは、クジラ独特の臭味が強く、赤味は酸化しやすく直ぐに真っ黒になり、焼くと硬くなる。いっぽう、ミンククジラの赤身は刺身用になり、尾の身(霜降りの部位のこと)は超高級品として寿司ネタなどになる。かっては紋別市でも「大洋漁業㈱(現マルハニチロ)」や「極洋捕鯨㈱(現極洋)」が、小型捕鯨を行っていたが、1976年の水揚げを最後に見られなくなった。それは捕鯨船団が行う海上解体が違反操業として一斉摘発されたことによる。陸上解体では、操業効率が悪く、採算性に劣っていた。今またミンククジラの商業捕鯨が認められ、また、より需要も高まれば、紋別市での解体場の設置、水揚げと捕鯨の復活があるかもしれない。
第406号 キャッチャーボート 北海道の歴史,北海道の文化,北海道文化財保護協会,http://turiyamafumi.kitaguni.tv/
Posted by 釣山 史 at 07:06│Comments(0)
│郷土の語り
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