アイヌ民族文化祭 in 旭川 

釣山 史

2017年11月16日 19:00



第30回 アイヌ民族文化祭に参加して この十一月四日(土)、旭川市民文化会館において北海道アイヌ協会が主催する「アイヌ民族文化祭2017」が開催され、私は、三十回目という節目の折りに初めて参加させて頂いた。さて、文化祭は、北海道アイヌ協会加藤忠理事長の『イランカラプテを北海道のおもてなしの言葉として広め、ユネスコ無形文化遺産であり、国指定重要無形民族文化財であるアイヌ古式舞踏などの鑑賞を通じて、アイヌ民族の自然観、精神世界の理解を深めてもらい、また、アイヌ民族が先住民であるとの認識を高めて、それで多文化共生社会の実現となることを望む。』との挨拶に始まった。アイヌ古式舞踏では、「旭川チカップニアイヌ民族文化保存会」の多くの若手らが、動植物を表したチカプウポポ(鶴の舞)や激しさの余りに心臓破りの踊りと云われるフッタレチュイ(トドマツの踊り)などを披露した。「阿寒アイヌ民族文化保存会」は、今回は小中学生を中心に構成され、チロンヌップリムセ(キツネの踊り)が可愛らしく、クリムセ(弓の舞)は、とっても勇ましいものだった。〝旭川〟と〝阿寒〟の違った鶴の舞が観覧でき、お得気分に浸りながらアイヌ文化が確実に若者たちへ引き継がれて行くことを確信したのだった。続いて国立アイヌ民族博物館設立準備室の内田祐一氏(元帯広百年記念館副館長)による講演「アイヌ文化のなかの自然観」では、自然=カムイ、アイヌモシリとカムイモシリについてのアイヌ民族の自然観が、キタキツネやシマフクロウを題材に語られ、同じカラスでも〝ハシボソガラス〟は賢くエライ神であり、〝ハシブトガラス〟は、ろくでもないものという話に興味を引かれた。そうして二人組みの男性ボーカル・HEAT VOICEと阿寒コタンの若者たちによるトーカリップ(マリモ)体操が会場を盛り上げ、最後にポロ リムセ(輪踊り)が、感動的にフィナーレを飾った。こうして楽しくとても有意義な一日を過ごしたのであった。 フィナーレ みんなで大きな輪をつくって踊りましょう
第432号 アイヌ民族文化祭 in 旭川         

関連記事