奇才、ブラキストンの船

釣山 史

2008年02月14日 21:04

~明治初年にブラキストンが考案した新型漁船の図

 
 英国人で元軍人のブラキストンは多才な人物である。1861年には揚子江を探検して、その記録はロイヤルメダルを受賞した。同年に商社員として来箱すると、翌年には日本最初の蒸気機関製材所を建設し、そして内地と蝦夷地、蝦夷地の沿岸での船舶輸送を開始した。
 また、幕末からあった気象観測所を引き継いで近代化させ、箱館の水道や築港の設計なども行い、五稜郭での中川嘉兵衛の採氷も彼が端緒となった。後年、彼の名を一躍、世界に知らしめたのは野鳥の研究で、これがブラキストン・ラインの発見であった。
 面白いところでは、‘80年にはスポンサーとなり帆船競争を行ったと云い、これは船の改良を奨励するものだったが、明治24年の「北水協会報告第六十七号」に『英人ブラキストン氏考案漁船ノ図』なるものがある。
 2番目の婦人は北海道畜産の父と云われるエドウイン・ダンの姉。

 

 ⑫~⑭は古本ぐるいの戯言「北水協会報告」編です。
                                                                ⑭北水協会



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