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2008年07月10日

エッセイ、学芸員力を問う!

~世の中の学芸員にものいう

 最近は大きな話題では無くなったが、公共施設の「指定管理者」化は着々と進んでいる。そして、そのターゲットとされやすい一つが「博物館」であり、しかし、この制度が叫ばれるズーッと以前から「博物館」は世況に左右されて来た。
 この博物館とはいわゆる正式な「登録博物館」とそれに準じた「博物館相当施設」、そしてこれらと活動を同じくする「博物館類似施設」の3つに分けられ、大雑把には「博物館」と「資料館」ということになるが、これらには美術館や文学館、動物園と科学館なども含まれる。
 少し古いデータであるが道内の平成17年4月1日付での「登録博物館」は45ヵ所、「博物館相当施設」は19ヵ所ある(このうち私は28ヵ所を訪問した)。
 自治体によっては「上湧別ふるさと館JRY」を例とするように十分な体制にあるにも関わらず、教育というよりは観光的要素を高めるため、あえて博物館とならないところもあるが、一般的には博物館の指定を受けない、受けれない主な理由は次による。

 
 ◆登録博物館の大きな要件
 ・館長、学芸員等の職員配置
 ・年間に150日以上の開館


 小さな町では、これら博物館たる活動のための経費は大きな負担であり、地方の資料館が土日祝日は閉館、冬期閉鎖の所以はここにあるが、一般者が利用しずらい、利用できない、あるいはその町ではもともと必要度が低いのか、それならはなから要らないのである。
 極端な例だがある道南の資料館へ行った時、「本当に見るんですネ、お金がかかりますよ」とシブシブ電気を点けてということがあり、腹は立つは、呆れるはで、ここは歴史家に有名な地である。
 さて、先年発覚した高校の未履修問題ではないが、そもそもの歴史教育の軽視か、興味を持つ若者は少なく、文化財行政も考古・民族系への偏りから、歴史系の研究者は少ない。特に近現代史が満足に学習されない中で、さらに道内では一部の旧開地を除いてもともと歴史は浅く、そしてこのところの環境ブームもあって、観光と結びついた自然科学系の学芸員が増えたようだ。
 とある道東の有名な博物館へ、その町の開発功労者について聞きに行ったとき、「へー、そういうヒトがいたんですか」と云われ、「貴館の研究紀要にも載っていますヨ」と指摘したところ、「知りません」とにべもなく断られたこともあり、『キッと彼は人間と話すよりは鳥と語らっていたいんだ』と納得した。
 学芸員の諸君、あなた達の使命はいったい何か。博物館とは学芸員の研究のためか、はたして趣味するところか、博物館の器の維持が目的か。個人の資質では済まされない。
 また、道央の大きな博物館では、研究のため、そこにメイン展示されている元の所有者の一族に連絡を取りたい旨、お願いしたところ、横柄なもの言いで「電話帳で調べれば」と言われ、余りの態度に怒り心頭、後で知人に聞いたところ、彼は間もなく配転されたとのこと。
 近々では道内を代表する博物館に、その博物館が専門とするところの資料を寄贈したいと申し出たものの、「お気持ちは基本的にありがたいですが、・・・担当者が不在で」といんぎんに断られた。中身の確認くらいあってもよさそうである。
 学芸員たちの間で、地位の向上、博物館からの解放を唱える風潮がある一方、結構目に付く、来館者を軽んじた態度、素人の横好きを甘く見てはいけない。


-意見のある方へ- 
 私は専門員でも学芸員でもないが、この「歴史の探究」で得たもを通じて、何か社会に貢献できればと活動している。実際に地元以外からも資料の提供や意見を求められることもあり、他のページを見て判断されたし。


第65回学芸員よ!

北海道の歴史,北海道の文化,北海道文化財保護協会,http://turiyamafumi.kitaguni.tv/

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Posted by 釣山 史 at 20:26│Comments(0)持論、討論
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