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2012年03月15日

ホタテの2番汁

◆ホタテエキスの濃縮技術は紋別地方から(改)

 さて、カキの効能は古くから知られていて『ひとつぶ300メートル』のCMは有名だ。大正8年に江崎利一はカキエキスからグリコーゲンを抽出し、同10年に『栄養菓子グリコ』として創業を開始した。
 同じく栄養価の高いホタテをどうにか活用できないか?。北海道水産試験場稚内支場は、昭和9年のエリザ・クラブ商会頓別工場での予備試験をかわきりに、従来、廃棄されていた乾貝柱の製造工程で発生する二番煮汁から、グリコーゲンを抽出するための製造試験を開始した。
 昭和10年は、北海道漁業缶詰㈱紋別工場において、
 ①煮汁腐敗防止の試験
 ②製造法の試験
 ③グリコーゲン含有量簡易鑑別法の試験
 ④調味料に関する試験
を行い、このときの真空蒸留濃縮法は、現在へと受け継がれている。
 つづいて昭和11には、湧別の北洋水産工業㈱で製造したサンプルを薬品会社数社に発送して協力を仰いだ。
 間もなく既製の真空蒸発鍋が開発されたこともあり、ホタテエキスの濃縮事業が各地で行われるようになって、紋別では昭和11年に創業の昭和産業㈱が「帆立貝煮汁濃縮液」として販売している。
 これらの多くは主に栄養剤とされ、また、調味料にも利用されたが、昭和10年頃の北見物産協会のパンフレットに北見のお土産として、常呂と紋別の「帆立センベイ」をあげており、ひょっとしてホタテエキスを使っていたのかも知れない。




第296回 ほたてエキス          北海道の歴史,北海道の文化,北海道文化財保護協会,http://turiyamafumi.kitaguni.tv/

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Posted by 釣山 史 at 07:13│Comments(0)郷土の語り
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