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2015年07月24日

生き残った円形校舎


生き残った円形校舎 大成建設の設計技師だった坂本鹿名夫は、文部省の建築モデル校の標準設計策定に参画、正円2棟を矩形の雨天運動場で結んだ校舎を提案したが、このときは奇抜すぎて顧みられなかった。1954年には独立して建築事務所を設立した。最初の円形校舎は、1953年設計の金沢市の金城高校と云われ、窓に囲まれたモダンな校舎は、教室をドーナツ状にバームクーヘンを切り分けたように配置した。戦後、物資不足のなかでのベビーブームに対応するためで、建築面積と壁面積を抑えたローコスト校舎として考案され、採光性に優れる一方で、増改築が難しい、扇形教室は使いづらい、通路は中央螺旋階段のみで非常時に危険などがあって、一時のブームに終わった。道内には10数棟が建設され、近年、老朽化による取り壊しが進んでいる。この旧朱鞠内小学校は、右翼の円形と左翼の六角堂を矩形通路が2階で結ぶ。昭和32年に道内で5番目に建設され、平成元年には改装されて研修所となった。
第380号  幌加内の円形校舎     北海道の歴史,北海道の文化,北海道文化財保護協会,http://turiyamafumi.kitaguni.tv/  

Posted by 釣山 史 at 19:58Comments(0)古民家・古建築