さぽろぐ

文化・芸能・学術  |札幌市手稲区

ログインヘルプ


2013年07月25日

十勝の歴史遺産



十勝探訪 この7月に2週に渡り、道東を巡った。地方には有名・無名、発信力の弱さもあって、まだまだ余り知られていない歴史遺産があり、また、その価値に比べて地元における評価も不十分なことが多い。 ここでは主に建造物について紹介するが、これからも情報の収集、リレーに努めて行きたい。 紋別会員 釣山史  ◆空襲に耐えたJA本別町倉庫 通りかかるとそれは取り壊し中だった。 JA大通り倉庫は、昭和5年に改築された当時としては珍しい木骨コンクリート造り。 昭和20年7月15日、米軍43機によって空爆された本別町では、40名が死亡、中心街の三分の二が焼失し、この倉庫の壁には十勝空襲の傷跡が刻まれていた。 保存を望む声もあったが維持が難しく、解体されることとなり、町歴史民俗資料館友の会ほかは、本別空襲を物語るものとしてビデオや写真に記録した。町では毎年、『わが町の七月十五日展』を開催し、積極的に戦災の歴史を伝えて来ただけに惜しまれる。 取り壊し中の戦災倉庫 くり抜かれて町資料館に保存された壁の一部 ◆旧足寄村役場庁舎 昭和9年に建設された旧村役場庁舎の解体が決まった。平成19年までは、町郷土資料館として利用されていたが、取り壊しを前提に中名寄の旧校舎に移転していた。 老朽化が著しく、厳しい財政事情もあり、また、町の歴史を偲ぶ建造物がほとんど残っていないなか、文化財としての価値も低いと判断したようだ。 町の玄関口に建ち、地域のモニュメントであったものが消える。 上/解体予定の旧村役場庁舎  右/現資料館の展示物 上/奉安庫かも 下/みごとな双口注口土器 ◆旧池北線・陸別駅 平成18年4月に『ふるさと銀河線(旧池北線)』が廃線となったが、その2年後に観光鉄道の『ふるさと銀河線りくべつ鉄道』として復活した。 明治42年に設置の転車台はSLが廃止されてから長く放置されていたが、平成21年に修復され、また、昭和5年に建設された機関庫は木造の矩形庫で、現役の気動車のほか、排雪モーターカーや保線作業車など、鉄道院、鉄道省、そして国鉄の歴史を残している。関寛斎資料館が併設される。 道内最古の転車台と戦前の木造機関庫 ◆国登録有形文化財・双葉幼稚園園舎 フランク・ロイド・ライトのものを参考に特徴あるドーム屋根に三角形の小窓を配して大正11年に完成した。 数多くの園児を送り出して来た十勝地方で最古の幼稚園も少子化の波には勝てず、本年3月をもって、とうとう閉園してしまった。今後の保存と利活用が注目される。 赤い屋根が地域のシンボルだった旧園舎









































第359回 十勝の歴旅      北海道の歴史,北海道の文化,北海道文化財保護協会,http://turiyamafumi.kitaguni.tv/  

Posted by 釣山 史 at 20:56Comments(0)北海道の歴史