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2010年12月09日

丹頂の保護(再)

タンチョウヅルのお話し
天然のタンチョウのつがい ツルがいるから鶴居村 特別天然記念物 ~絶滅危惧種(En)タンチョウの保護活動 まずは「天然記念物」とは…? 記念物とは次の文化財の総称で、①貝塚や古墳、城跡など歴史上、または学術上の価値が高いもの。 ②庭園や峡谷、海、山などの名勝地で、芸術上または鑑賞上の価値が高いもの。 ③動植物と地質鉱物で学術上の価値の高いもの。 このうち天然記念物とは「学術上において貴重な日本の自然を記念する③のこと」を云い、それを有する、その地域を含めたものです。これに指定されると採捕・採取と開発行為が規制されて、その保全と回復の対策がなされるようになります。 古くはアイヌの人々に「サルルンカムイ」と敬われた湿原の神鳥「タンチョウ」は明治25年に保護鳥に指定されましたが、明治末期には開発と乱獲から絶滅したかと思われていました。 大正に入り、地元の猟師がタンチョウを見たとの情報から道庁が調査を行い、大正13年に釧路湿原で約20羽が確認され、昭和10年には「天然記念物」となり、「釧路国丹頂鶴保護会」が結成されて、同27年は「特別天然記念物」に指定されました。 その後の昭和25年に阿寒町の山崎定次郎氏が畑に寄ったタンチョウへの餌付けに成功し、また、鶴居村では同27年の冬に登校途中の幌呂小学校の児童が弱ったタンチョウを発見して新井田準次郎校長と子どもらがそれを保護し、デントコーンを餌付けしました。 同年の大寒波によるタンチョウの餓死では、全国から飼料と義捐金が贈られ、昭和37年からは下雪裡小学校の武藤良治校長が農作物への被害を防ぎながらのタンチョウの保護活動を通じ、教育的な指導を始めたのでした。 こうして、これらをきっかけとした地元住民あげての保護活動によって、最初の昭和27年の一斉調査では、たったの33羽であったものが、現在では1千羽以上が確認されるようになりました。 この「釧路市丹頂鶴自然公園」は、昭和33年に5羽のタンチョウをもって開園し、同45年には「自然ふ化」に、2年後には「人工ふ化」に成功して、以来、増殖に努めて放鳥を続けて来ました。今では、釧路湿原のほかにウトナイ湖や石狩川でも見られるようになり、サロベツや網走でも繁殖が確認されています。道外では、民話「鶴の恩返し」の発祥と云われる山形県や秋田県のほか、最近では宮城県や山口県でも発見されて、話題となりました。 先日の12月5日には、「阿寒国際ツルセンター」において、タンチョへの給餌を始めて60周年を記念し、これまでの保護活動を後世に伝えるために「タンチョウ感謝祭」が開催されました。












































第220回 ツルのお話し      北海道の歴史,北海道の文化,北海道文化財保護協会,http://turiyamafumi.kitaguni.tv/

  

Posted by 釣山 史 at 03:23Comments(0)郷土の語り