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2010年11月14日

北方民族シンポ

コメント提供:齋藤玲子学芸主幹
北方民族文化シンポジウムが四半世紀/網走 昭和61年に網走市の主催で始まった北方民族文化シンポジウムは北方民族博物館に引き継がれて、この秋で第25回目の節目を迎えた。今回は、10月16~17日の両日に渡って、現代社会と先住民族文化との関係を考えたもので、アートの「伝統」と「非伝統」をキーワードに、アイヌ民族で彫刻家の床州生氏やカナダ国立美術館のクリスティン・ラロンド氏ほか国際色豊かな各方面の方々によって白熱した論議が交わされた。同館では『各民族には、独特の文様や世界観を表わした図案などがあり、それを施す技術とともに伝承されている。現代では、それらは商品化され、経済活動の一端を担っている。素材・道具・表現の場が増え、作り手自身も複雑なアイデンティティを抱え、多様化している状況の下、民族の芸術は将来どうなっていくのか、どうあるべきかについて考えるため、さまざまな立場から報告をいただいた。作り手からは、現代生活に適した物づくりや次世代の担い手育成の取り組みが、美術館からは、民族資料を美の遺産と捉える視点や作品の背景をも展示することの重要性が、また、研究者等からは世界的な美術市場の影響力、多彩な芸術活動を記録・紹介する意義、民族の枠を超えた芸術の在り方など、多くの指摘・理論・実践が発表された。地域や民族が違っても共通の課題は多く、今後も議論されるべきテーマであることが確認されたと考えている。』としている。 第1部<芸術に表現されるもの>・淺川 泰/北海道立美術館 「アイヌの装飾美術について」・クリスティン・ラロンド/カナダ国立美術館 「生きることとイヌイトであること-イヌイト・アートにおける自伝」第2部<伝統と創造>・スタン・ベヴァン/カナダ北西海岸美術学校 「伝統知-我々の未来への礎」・床 州生/アイヌ彫刻家 「チョッケプ-アイヌ・アートの可能性-」・貝澤 珠美/デザイナー 「アイヌとモダン~アイヌ模様を今の時代に表現する一つの方法」第3部<現地と世界の市場>・緒方 しらべ/総合研究大学院大学博士課程「ハイブリッドな生き方としてのアート-今日のアフリカンアートに錯綜する多彩な現実」・窪田 幸子/神戸大学 「アボリジニのアートにみるローカルとグローバルの接合-都市アボリジニ・アーティストの抵抗と交渉」第4部<芸術の枠組みを超えて> ・坂巻正美/北海道教育大学 「作品『けはいをきくこと…北方圏における森の思想』-先住民文化探訪から彫刻概念の拡張へ-・大村 敬一/大阪大学大学院 「技術の魅惑/魅惑の技術 ―『芸術』と『伝統文化』を超えて―」今年のシンポは、お美しい女性陣が大活躍です。このほか、座長の北海学園大学の岩崎まさみ女史、通訳の川内さん、加藤さん、お疲れ様でございました。岡田淳子 岩崎グッドマンまさみ 川内裕子 加藤和代
第218回 民族学会のシンポジム      北海道の歴史,北海道の文化,北海道文化財保護協会,http://turiyamafumi.kitaguni.tv/
    

Posted by 釣山 史 at 10:24Comments(0)トピック