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2010年10月23日

産業考古学会全国(江別)大会2

産業考古学会
 産業考古学とは、幕末以降、明治の殖産興業を経て発達して来た産業技術や文化財的建造物、構築物、図画などを調査・研究し、その保存と活用を行うもの。その産業史は、生活史や民族史へも繋がる。
 産業考古学会は、この10月9日から12日までの間、江別市の酪農学園大学において産業考古学会全国大会を開催し、道央を巡見した。

網走集治監の瓦と樺戸集治監のレンガ/江別市セラミックアートセンター





旧ヒダ・レンガ工場
◆江別のレンガ
 江別市でのレンガ製造は明治24年に始まり、現在でも広く全国に流通しており、市内には、学校、サイロ、倉庫など、多くのレンガ古建築が残されている。「江別市セラミックアートセンター」では、これらの歴史を学べ、この「旧ヒダ工場」は、レンガ文化のシンボルとして「江別グレシャムアンテナショップ」となっている。

◆江別市郷土史料館の戦闘機
 金属の調達に窮した旧日本陸軍は、昭和19年に王子製紙工場での木製戦闘機の製作に取り掛かり、「四式戦闘機・疾風キ-106」3機が完成した。完成機は、終戦時に飛び去ったと云われ、同館には、関係者によって密かに保管されていた設計図のほか、風防、車輪などが展示されている。

◆住友奔別炭鉱立坑櫓
 昭和35年に建設された高さ約51m、深さ750m、規模も技術的にも東洋一と云われた立抗。立坑の密閉作業中の爆発事故がで5名が亡くなり、事故の様子とともに石炭生産の過程が、そのまま残されている貴重なもの。


◆北炭幌内炭鉱変電所
 ライマンが指導した北海道の最初期の炭鉱で、大正8年頃の建設と云う。レンガ造りの建屋と屋外変電施設は、現在、「三笠炭鉱の記憶再生塾」の活動拠点となっている。




◆百年前の蒸気トラクター
 スガノ農機㈱が運営する世界のプラウと土の博物館「土の館」には、明治35年カナダ製の蒸気トラクターや北海道で最初に輸入されたトラクターなど、農機具のあれこれが展示されている。また、十勝岳の大噴火からの復興など、農耕の歴史が学べる。





第212回 産業遺産の旅      北海道の歴史,北海道の文化,北海道文化財保護協会,http://turiyamafumi.kitaguni.tv/
  

Posted by 釣山 史 at 10:02Comments(0)北海道の歴史