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文化・芸能・学術  |札幌市手稲区

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2010年04月01日

氷海の民シンポジウム

紋別では年2回の歴史・民族系シンポが開催される
アイヌ古式舞踊の夕べ

 紋別市は、ガリンコ号やオホーツクタワーでも知られる、自然豊かな水産都市で、 毎年2月に開催される「北方圏国際シンポジウム」は、流氷の南限域という特性を活かした「地球温暖化」などの環境問題や「北方民族の歴史」、「オホーツクの水産」などの専門的な研究発表のほか、一般の方でも気軽に参加できる地域密着型のプログラムである。この2月22日には文化会館において、分科会「第16回氷海の民シンポジウム」が開催された。
 そこでは、北大の増田隆一氏が「DNAからみる古代オホーツク人の系譜」と題し、5世紀から13世紀にかけて北海道に現れて忽然と消えた?「謎のオホーツク人」の系譜を人類学的に分析し、それは現在のアムール地方にあるニブフ、ウリチ、ネギダールの近縁であるとして、また、耳垢遺伝子の分析から北海道の縄文人とオホーツク人の融合からアイヌ人に至ったと解説した。
 つづいて「アイヌ古式舞踊の世界へ」と題したアイヌ民族博物館の北原次郎太氏(現北大准教授)の講演、そしてTeam Nikaopによるアイヌ古式舞踊の実演では、トンコリやムックリの演奏のほか、樺太地方の輪踊り(ヘチリ)やN.G.マンローが記録した網走・春採での刀の踊り(エムエリム)が再現され、また、初日のレセプション(21日)では、参加者がロシアやフィンランド、東南アジア各国の研究者や留学生など、国際色豊かな中で、歌手の加藤登紀子さんと舞踊チーム、関係者らが輪になり、アイヌ民謡を歌い踊って、楽しい宴が催された。



北川さんのコメント
 資料から芸能の復元に挑むTeam Nikaopでは、これまで北海道内の演目を中心に演じてきた。オホーツク沿岸は樺太アイヌが多く移り住んだ地であることから、今回の公演ではヘチリ(輪踊り)など樺太の演目にも挑戦した。


第171回 オホーツク人とアイヌ舞踊    北海道の歴史,北海道の文化,北海道文化財保護協会,http://turiyamafumi.kitaguni.tv/
  

Posted by 釣山 史 at 08:02Comments(0)北海道の歴史