さぽろぐ

文化・芸能・学術  |札幌市手稲区

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2009年01月11日

ロフト古書の街

年末にロフトに行って来ました
 サッポロロフト古書の街・オープン
 ガンバレ古本屋のオヤジ



アイヌ古画がお出迎え

 昨年の11月1日に紀伊国屋・札幌ロフト店内に道内各地のユニークな古書店8店とボランティア団体による『古書の街』がオープンした。イベントとしての古書店の共同出店や新刊書と新古書の共販はあっても、道内での常設の古書店街はたぶん初めてであろうし、ましてや新刊書店と古書店が同じ屋根の下など全国でも稀である。また、不要として提供された図書を児童会館や子育て支援センターなどへ無償で配本している団体の資金作りともなっている。

サッポロ堂書店(北方資料)、薫風書林(人文書)、角口書店(美術書)、リブロ平岸(映画)、じやんくまうす(絶版まんが)、ブックスボックス田原書店(美術・音楽)、帯広春陽堂書店(歴史全般)、根室道草書房(推理小説)、北海道ブックシェアリング(ボランティア団体)



なつかしい映画ポスター

 この古書店街の代表は、この道三十数年のサッポロ堂書店の石原誠さんで、私とは店主と客の垣根を超えた友人であり、彼自身も北方民族・文化の研究者だ。
 思うに今までの古書店のイメージは薄暗く、ほこりっぽい山のように積まれた古本の谷間に鎮座する、少々取っ付きずらいオヤジの店だ。一見さんや素人さんにはなかなか敷居が高く、ずいぶんあちこちの古書店に通っている私も、若い女性や家族連れにはお目にかかったことはない。
 石原さんも「古書店と云えば暗いイメージで、若い、特に女性は来ない。ここではあちら側の新刊売場から若いヒトが少しづつ、こちら側の古書コーナーに侵入、新たな顧客をキャッチしつつある」と手ごたえを感じている。
 古書店は今、苦難の時代である。バブルの頃は道内のある古書店で年商が数億あったとも噂されていたが、現在は「もの」の動きがない上に、学生の減少と不勉強さが影響し、また、大学の独法化と公立図書館の軒並みの予算減に、もともとの活字離れも重なって、深刻な経営難である。
 これは新刊書店にも云えることで、この新刊書店と古書店のコラボもロフトさんからの働きかけによるものらしい。
 かってパチンコ業界が同じようなイメージチェンジに成功したように、「本の虫・古書キチ」の私は期待している。この「ふる本文化」の灯を絶やさないために。
 古書店とは第二の図書館であり、文学館であり、博物館・美術館でもあるのだから。


伊達開拓団の風景ほか、貴重な資料のやま


第103回 本好き集まれ  北海道の歴史,北海道の文化,北海道文化財保護協会,http://turiyamafumi.kitaguni.tv/  

Posted by 釣山 史 at 00:27Comments(0)古書籍・古本