さぽろぐ

文化・芸能・学術  |札幌市手稲区

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2008年07月01日

招運の泉

 ~お気に入りの美しいエゾ地名
  先だって斜里町の来運に行って来ました。

◆小砂子(ちいさご/上ノ国町)
 とても美しい言音の語源は「チシ・エムコ、立岩の水源」ということ。古くから和人地第一の難所とされ、道南12館のひとつにあげられる比石館跡があった。隣接には昭和9年に完工した世界でも珍しいトンネル式の石崎漁港があり、急峻に突き出た岬に掘ったトンネルを漁船が行き交う。
◆礼文華(れぶんげ/豊浦町)
 「レプン・ケプ、沖に突き出ているところ」という意味で、かっては蝦夷三険のひとつとされた。その名のとおり景勝地である豊浦海岸には斉藤茂吉や与謝野鉄寛・晶子など多くの歌人・文人たちが来訪している。そこにある小幌(岩屋)洞窟には江戸時代から円空仏があり、首なし観音が安置され、松浦武四郎や菅江真澄も訪れた。小幌駅は鉄道マニアに秘境駅として知られている。
 ◆来 運(らいうん/斜里町)
 当て字和名に似つかわしくない、「ライ・ウン・ナイ、死人川、死んだように流れが遅い川」という意味でふ化場がある。明治32年に開拓された来運地区は秀峰斜里岳の積雪が数十年を経て湧き出るとされる「名水・来運の水」があり、豊富な湧量を誇る湧水は、常に6℃前後と夏は冷たく冬は凍らない。招運、願いが叶うという泉へ行ってみては。

◎おまけ/於尋麻布(おたずねマップ/羅臼町)
 北海道でも随一の難読地名で「オ・タッニ・オ・マップ、そこに樺の木がある川」が語源の秘境・知床にある言いえて妙な絶妙な地名。釣りの名所であり、地図を見ながら尋ねてみては。


第62回蝦夷地名解

北海道の歴史,北海道の文化,北海道文化財保護協会,http://turiyamafumi.kitaguni.tv/

  

Posted by 釣山 史 at 19:09Comments(0)トピック