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2008年02月26日

親子で歌おう日本の歌百選

~日本の歌百選とトラピスト、三木露風

●「親子で歌いつごう 日本の歌百選」
 昨年、文化庁と日本PTA全国協議会は、長く親子で歌い継いでほしい歌を募集し、応募された895曲のうち101曲を選定した。
 このなかに北海道ゆかりの歌として、広く知られる童謡「赤い靴」が選ばれた。これは野口雨情が道内の新聞社に勤務していたときに知人から打ち明けられた悲話であり、当時の下層民、北海道開拓の厳しさを伝えたものである。
 さて、北海道との関わりが余り知られていない、もうひとつの名曲に三木露風の「赤とんぼ」がある。

●三木露風、「赤とんぼのこと」
 これは、私の小さい時のおもいでである。「赤とんぼ」を、作ったのは大正十年で、處は、北海道函館附近のトラピスト修道院に於いてであった。或日午後四時頃に、窓の外を見て、ふと眼についたのは、赤とんぼであった。静かな空気と光の中に、竿の先に、じっととまっているのであった。それが、かなり長い間、飛び去ろうとしない。私は、それを見ていた。後に、「赤とんぼ」を作ったのである。関係のある『樫の實』に発表した。
 家で頼んだ子守娘がいた。その娘が、私を負うていた。西の山の上に、夕焼していた。草の廣場に、赤とんぼが飛んでいた。それを負われてゐる私は見た。そのことをおぼえている。北海道で、赤とんぼを見て、思いだしたことである。
 大分大きくなったので、子守娘は、里へ歸った。ちらと聞いたのは、嫁に行ったということである。山の畑というのは、私の家の北の方の畑である。
三木露風稿/抜粋。

1夕焼け、小焼の、     3山の畑の、
 赤とんぼ、          桑の實を、
 負われて見たのは、    小籠に摘んだは、
 いつの日か。         まぼろしか。

2十五で姐やは、      4夕焼け、小焼の、
 嫁に行き、          赤とんぼ、
 お里のたよりも、      とまっているよ、
 絶えはてた。         竿の先。

●日本の歌百選
1 仰げば尊し 不詳/2 赤い靴 野口雨情 本居長世 /3 赤とんぼ 三木露風 山田耕筰 /4 朝はどこから 森まさる 橋本国彦 /5 あの町この町 野口雨情 中山晋平/6 あめふり 北原白秋 中山晋平/7 雨降りお月さん 野口雨情 中山晋平/8 あめふりくまのこ 鶴見正夫 湯山昭/9 いい日旅立ち 作詞作曲:谷村新司/10 いつでも夢を 佐伯孝夫 吉田正/11 犬のおまわりさん 佐藤義美 大中恩/12 上を向いて歩こう 永六輔 中村八大/13 海 林 柳波 井上武士/14 うれしいひなまつり サトウハチロー 河村光陽/15 江戸子守歌 日本古謡/16 おうま 林柳波 松島彜/17 大きな栗の木の下で 不詳 イギリス民謡/18 大きな古時計 保富庚午訳詞 WORK HENRY CLAY/19 おかあさん 田中ナナ 中田喜直/20 お正月 東くめ 滝廉太郎/21 おはなしゆびさん 香山美子 湯山昭/22 朧月夜 高野辰之 岡野貞一/23 思い出のアルバム 増子とし 本多鉄麿/24 おもちゃのチャチャチャ 野坂昭如・吉岡治補作詞 越部信義/25 かあさんの歌 作詞作曲:窪田聡/26 風 西條八十訳詞 草川信/27 肩たたき 西條八十 中山晋平/28 かもめの水兵さん 武内俊子 河村光陽/29 からたちの花 北原白秋 山田耕筰/30 川の流れのように 秋元康 見岳章/31 汽車 不詳 大和田愛羅/32 汽車ポッポ 富原薫 草川信 /33 今日の日はさようなら 作詞作曲:金子詔一/34 靴が鳴る 清水かつら 弘田龍太郎/35 こいのぼり 近藤宮子 不詳/36 高校三年生 丘灯至夫 遠藤実/37 荒城の月 土井晩翠 滝廉太郎 /38 秋桜 作詞作曲:さだまさし/39 この道 北原白秋 山田耕筰/40 こんにちは赤ちゃん 永六輔 中村八大/41 さくら貝の歌 土屋花情 八洲秀章/42 さくらさくら 日本古謡/43 サッちゃん 阪田寛夫 大中恩/44 里の秋 斎藤信夫 海沼実/45 幸せなら手をたたこう 木村利人訳詞 アメリカ民謡/46 叱られて 清水かつら 弘田龍太郎/47 四季の歌 作詞作曲:荒木とよひさ/48 時代 作詞作曲:中島みゆき/49 しゃぼん玉 野口雨情 中山晋平/50 ずいずいずっころばし わらべうた/51 スキー 時雨音羽 平井康三郎/52 背くらべ 海野厚 中山晋平/53 世界に一つだけの花 作詞作曲:槇原敬之/54 ぞうさん まどみちお 團伊玖磨/55 早春賦 吉丸一昌 中田章/56 たきび 巽聖歌 渡辺茂/57 ちいさい秋みつけた サトウハチロー 中田喜直/58 茶摘み 不詳/59 チューリップ 近藤宮子 井上武士/60 月の沙漠 加藤まさを 佐々木すぐる/61 翼をください 山上路夫 村井邦彦/62 手のひらを太陽に やなせたかし いずみたく/63 通りゃんせ わらべうた/64 どこかで春が 百田宗治 草川信/65 ドレミの歌 ペギー葉山訳詞 RODGERS RICHARD/66 どんぐりころころ 青木存義 梁田貞/67 とんぼのめがね 額賀誠志 平井康三郎/68 ないしょ話 結城よしを 山口保治/69 涙そうそう 森山良子 BEGIN /70 夏の思い出 江間章子 中田喜直/71 夏は来ぬ 佐々木信綱 小山作之助/72 七つの子 野口雨情 本居長世/73 花 作詞作曲:喜納昌吉/74 花 武島羽衣 滝廉太郎/75 花の街 江間章子 團伊玖磨/76 埴生の宿 里見義訳詞 BISHOP HENRY ROWLEY/77 浜千鳥 鹿島鳴秋 弘田龍太郎/78 浜辺の歌 林古渓 成田為三/79 春が来た 高野辰之 岡野貞一/80 春の小川 高野辰之 岡野貞一/81 ふじの山 巌谷小波 不詳/82 冬景色 不詳/83 冬の星座 堀内敬三訳詞 HAYS WILLIAM SHAKESPEARRE/84 故郷 高野辰之 岡野貞一/85 蛍の光 稲垣千穎 スコットランド民謡/86 牧場の朝 不詳 船橋榮吉/87 見上げてごらん夜の星を 永六輔 いずみたく/88 みかんの花咲く丘 加藤省吾 海沼実/89 虫のこえ 不詳/90 むすんでひらいて 不詳 ROUSSEU JEAN JAQUES/91 村祭 不詳/92 めだかの学校 茶木滋 中田喜直/93 もみじ 高野辰之 岡野貞一/94 椰子の実 島崎藤村 大中寅二/95 夕日 葛原しげる 室崎琴月/96 夕やけこやけ 中村雨紅 草川信/97 雪 不詳/98 揺籃のうた 北原白秋 草川信/99 旅愁 犬童球渓訳詞 ORDWAY JP/100 リンゴの唄 サトウハチロー 万城目正/101 われは海の子 宮原晃一郎 不詳                                                       
                                                             第23回残そう、日本の文化
北海道の歴史,北海道の文化,北海道文化財保護協会,http://turiyamafumi.kitaguni.tv/
  

Posted by 釣山 史 at 07:24Comments(0)子育て・子どもの学習